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お役立ち情報
2024.10.1
<その他>2024年10月からの最低賃金
2024年10月から最低賃金が上がりました。
大 阪 1,064円 ⇒ 1,114 円(10月1日~)
兵 庫 1,001円 ⇒ 1,052円(10月1日~)
京 都 1,008円 ⇒ 1,058円(10月1日~)
滋 賀 967円 ⇒ 1,017円(10月1日~)
奈 良 936円 ⇒ 986円(10月1日~)
和歌山 929円 ⇒ 980円(10月1日~)2024年度の最低賃金引き上げは、全国平均で50円増の1,054円となり、22年連続の引き上げのうち、上げ幅は2023年度の43円を上回って過去最大となりました。 企業はさらなる賃上げのため生産性の向上が課題となりますが、大企業と中小企業の賃上げ余力の差は広がりかねません。中小企業にとって近年の賃上げは、労働環境の改善や業務の効率化を促す契機にもなると思われます。
【最低賃金引き上げの背景】
1. 物価上昇への対応
近年の円安の影響や消費者物価上昇の影響により、特に食品や光熱費など生活必需品の価格が高騰しています。物価の高騰により労働者の生活費が増加し、物価の影響を考慮した賃金(実質賃金)が低下します。これに対応するため、生活の安定を図る目的で最低賃金の引き上げが求められるようになりました。
企業側は最低賃金の引き上げにより人件費が増加するため、このコストの増加分を販売商品やサービスの価格に転嫁します。そのため更に物価の上昇につながるという密接な相互関係があります。
2.地域間格差の是正
「地域別最低賃金制度」により、最低賃金は地域ごとに異なります。東京都の最低賃金は全国で最も高く、地方はそれよりも低い水準に設定されています。この差によって、労働者がより高い賃金を求めて都市部に流出したり、地方の中小企業が人材不足や採用難に直面したりという問題が起きています。政府はこの問題を解消するため、地方の最低賃金引き上げを重点的に進めており、地域別の格差を縮小するよう調整を図っています。
3.生活水準の向上
最低賃金の引き上げは、労働者の生活水準を向上させ、消費の活性化や経済の成長につなげる狙いがあります。特に、低賃金労働者の購買力を高めることで、内需の拡大を促進する効果が期待されています。また、最低賃金が上がることで、手取りの収入が増加し、生活費や教育費などに充てる余裕が生まれます。
地域経済においては消費の拡大が地元企業の売上増加につながり、経済の好循環が期待できます。
【中小企業の課題】
政府は2030年代半ばまでに最低賃金の全国平均を1,500円にする目標をかかげています。最低賃金の大幅な引き上げは、中小企業にとって直接的なコスト増になり、経営に大きな影響を与えます。特に労働集約型の業種(飲食、サービス、小売など)では、人件費が経費の大部分を占めるため、賃上げにより利益が大幅に縮小する可能性がありますが、顧客離れの懸念から価格転嫁は簡単ではありません。
賃金が高くなることで、大企業と中小企業の間で人材の争奪戦が激しくなり、中小企業から優秀な人材が流出する恐れもあります。
これらの課題に向けて、「高付加価値商品・サービスへのシフト」、「低価格競争からの脱却」、「利益率を確保できるビジネスモデルへの転換」などの検討が必要です。
人件費から逆算した利益計画の作成により、大切な社員にモチベーションを上げて働いてもらえる組織にすることを目標にしたいものです。
【執筆者プロフィール】
東元 美恵(とうもと みえ)
代表社員税理士(近畿税理士会 北支部所属)
行政書士(日本行政書士会連合会北支部所属)
freee認定アドバイザー
認定経営革新等支援機関略 歴:
平安女学院短期大学英文科 卒業
三井住友海上火災保険株式会社ほか、
資産税を得意とする税理士法人に5年間勤務後
2013年1月 税理士法人KTリライアンス代表社員就任
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