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お役立ち情報
2025.5.29
令和6年改正「中小企業向け賃上げ促進税制」を詳しく解説

はじめに
事業者をこれまでサポートしてきた「中小企業向け賃上げ促進税制」。
このたび、令和6年度税制改正でこの制度は大幅に見直され、より使いやすくなりました。
人手不足が続くなかで、従業員の定着・モチベーション維持のために「給与を上げたい」と考える企業は少なくありません。
その一方で、経営の先行きが不透明な中、コストアップを不安に感じる声もあります。
この記事では、制度の基本から今回の改正ポイント、注意点や実務でよくあるQ&Aまで詳しくご紹介します。
1.「中小企業向け賃上げ促進税制」制度のポイント
中小企業向け賃上げ促進税制は、一定の要件を満たした中小企業や個人事業主が、前年より国内雇用者への給与の総額を増やすことで、法人税や所得税が安くなるというものです。
対象となる法人等
・資本金1億円以下、または従業員数1,000人以下の法人
(ただし、大規模法人からの出資割合が多い法人などは対象外)
・従業員数1,000人以下の個人事業主
※いずれも「青色申告書」を提出していることが要件です。
適用を受ける事業年度終了の時(個人事業主は12月31日)の現況によって判断します。
新設法人など前事業年度がない場合は適用できません。
2.いつから「中小企業向け賃上げ促進税制」は使える?
- 法人企業:令和6年4月1日~令和9年3月31日までに始まる事業年度
- 個人事業主:令和7年分~令和9年分
3.どれくらい給与が増加したら税金が安くなる?
「中小企業向け賃上げ促進税制」の計算対象となるのは、給料・賃金・賞与などで各種手当を含み、賃金台帳に記載された支給額(非課税の通勤手当を含む)で計算することができます。
また、未払の給与や前払の給与は損金に算入される事業年度の給与として計算します。
増加率 控除できる割合(税額控除率) 前年より1.5%以上アップ 増加分の15% 前年より2.5%以上アップ 増加分の30% ※ 控除できる金額には上限があり、「税額の20%まで」となっています。
☆ポイント
中小企業では、事業年度の途中で退職者が出てしまうと要件を満たさなくなるというケースがあります。
一方で、前年より給与の総額は上がっているものの1.5%以上のアップはしていないという場合には、中堅企業向け(常時使用する従業員が2,000人以下の企業が対象)の以下の制度が使えないか検討してみて下さい。
継続雇用者等給与支給額(前事業年度および当事業年度に継続して勤務している者への給与等)の増加率で判定
増加率 控除できる割合(税額控除率) 前年より3%以上アップ 増加分の10% 前年より4%以上アップ 増加分の25% 4.さらに税額控除がアップする「プラスαの条件」は?
(1)教育訓練に力を入れている会社は10%上乗せ
たとえば次のような場合、両方を満たせば「中小企業向け賃上げ促進税制」を利用して控除率を10%上乗せできます。
- 前年より教育訓練費が5%以上増えている
- 教育訓練費の支払額が「給与総額の0.05%以上」
教育訓練費とは?
- 外部研修の受講料や受験料
- 外部講師への謝金
- 国内外の大学院の授業料(条件あり)
- 外部委託の研修企画費など
※ 一方で、人件費・旅費・福利厚生目的の支出、自社設備の維持費などは対象外です。
(2)子育て支援や女性の活躍を応援している企業は5%上乗せ
- くるみん認定(くるみんプラス含む)*
- プラチナくるみん認定
- えるぼし認定(2段階目以上)*
- プラチナえるぼし認定
※トライくるみんなど一部の認定は対象外です。
*くるみん認定とは
厚生労働省が定める基準に基づいて、子育て支援に積極的な企業に与えられる認定です。
たとえば、育児休業制度の整備や、働きやすい環境づくりに取り組んでいることなどが評価されます。くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて |厚生労働省
*えるぼし認定とは?
こちらは、女性の活躍を後押しする企業に対して与えられる認定です。
採用・育成・管理職比率などの基準を満たすことで、えるぼし(1〜3段階)や、さらに上位の「プラチナえるぼし」を取得できます。女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)|厚生労働省
5. 控除しきれない場合は5年間繰り越せる!(新設)
賃上げをした年度が赤字で税額が発生しない場合や、控除額が上限を超えた場合でも、控除できなかった額は翌年以後最大5年間繰越可能になりました。
つまり、そこが令和6年の改正「中小企業向け賃上げ促進税制」で新しく設置された箇所です。
繰越の条件
- 繰越控除適用年度の給与等支給総額が前年より増加していること
- 青色申告を継続していること
- 確定申告書に税額控除の対象額や控除額、その計算に関する明細書などを添付して提出していること
6. よくあるご質問(Q&A)
Q:正社員でないスタッフも「雇用者」に含まれますか?
A:含まれます。
パート・アルバイト・日雇い労働者も賃金台帳に記載されていれば対象です。ただし役員やその親族などの「特殊関係者」は除かれます。
Q:助成金を給与に充てた場合はどうなりますか?
A:原則「補塡額」として控除します。
ただし雇用保険法等に基づいて支給される雇用調整助成金などは補塡額に含めなくて良いこととされています。給与の補填として受け取った出向負担金などは差し引く必要があります。
Q:適用のために事前届出は必要ですか?
A:不要です。
確定申告書に明細書を添付すれば適用されます。
Q:前年の教育訓練費がゼロでも、今年の教育訓練費があれば上乗せは受けられますか?
A:受けられます。
前年度がゼロでも、今年の支出が給与総額の0.05%以上であれば対象になります。
Q:月数の異なる決算や合併などがある場合は?
A:月数に応じた調整が必要です。
特殊なケースは税理士等の専門家への確認をおすすめします。
7.賃上げ促進税制の計算イメージ
例えば、ある中小企業(青色申告法人)で、以下のような賃上げを行ったとします。
内 容 金 額 前事業年度の国内雇用者への給与等支給総額 5,000万円 今期の国内雇用者への給与等支給総額 5,200万円(前年より+200万円) 法人税の確定税額 300万円 ●ステップ1:給与増加率の計算
増加額:5,200万円 − 5,000万円 = 200万円
増加率:200万円 ÷ 5,000万円 × 100 = 4%→ 2.5%以上の賃上げのため、基本控除率は30%
●ステップ2:控除額の計算
控除対象額:200万円 × 30% = 60万円
●ステップ3】控除限度額の確認
法人税額300万円 × 20% = 60万円 → 控除額60万円は、限度額以下のため満額控除可能
さらに教育訓練費を増やしていたら…?
仮にもしこの会社が、教育訓練費を前年より5%以上増やし、かつ給与総額の0.05%以上支出していたら、控除率は30% + 10% = 40%になります。
控除額:200万円 × 40% = 80万円
控除限度額:法人税300万円 × 20% = 60万円この場合、控除額は80万円でも、使えるのは60万円までで、残り20万円は翌期以降に繰り越し可能です。
8.最後に、賃上げは経営の未来投資です
「大切な人財が辞めてしまうのが怖い」「採用が難しい」。
多くの経営者が抱える悩みを、“積極的な賃上げ”と“税額控除”で両立する手段がこの制度です。ともあれ、毎年の給与総額の変動に目を向け、制度の活用可能性を検討してみてください。
ご不明点があればお気軽にご相談ください。
お役立ち情報
2025.5.29
企業版ふるさと納税の活用方法
寄附を通して、自社の未来への投資をしませんか?
企業経営において、納税は重要な社会的責任のひとつです。
しかし「せっかく利益が出たなら、“社会貢献”や“自社の成長”に繋げたい」とお考えになったことはありませんか。
そのような想いをお持ちの経営者の皆さまへ、ぜひ知っていただきたいのが、「企業版ふるさと納税」という制度です。
この企業版ふるさと納税という制度は寄附をすることで地方創生に貢献しながら、税負担の軽減を受けられることにより寄附の実負担額を軽減できる仕組みです。
しかも自社の成長戦略の一環として活用することのできる重要な選択肢の一つです。
企業版ふるさと納税とは?
「企業版ふるさと納税」とは、正式には地方創生応援税制と呼ばれる制度です。
国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄附を行った場合に、法人税等から税額控除を受けられる仕組みとなっています。
まず、ポイントは寄附金の損金算入による軽減効果(寄附額の約3割)と合わせて、税額控除(国税・地方税の合計で寄附額の最大6割)により最大で寄附額の約9割が軽減されます。
そうする事で実質的な企業の負担が約1割まで圧縮されるという点です。
ただし、以下の上限額があるため必ずしも納税額の9割が軽減されるわけではありません。
法人住民税 法人住民税法人税割額の20% (寄附額の4割が限度) 法人税 法人税額の5% (寄附額の1割が限度) 法人事業税 法人事業税額の20% (寄附額の2割が限度) 対象プロジェクトは教育支援や防災、産業振興など多岐にわたり、自社の理念や事業領域に合わせた選択も可能です。
詳しくは、次からご確認いただけます。内閣府「企業版ふるさと納税」公式サイト]
企業版ふるさと納税は「企業価値向上」の手段です
企業版ふるさと納税は、単なる節税目的だけでなく、「社会への貢献」と「企業ブランドの強化」を両立できる仕組みです。
特長1:地方自治体と連携することで、地域社会の課題解決に貢献。
特長2:「社会課題に真剣に向き合う企業」として、社外からの信頼が高まる。
特長3:社員の誇りとエンゲージメントが向上し、組織力も強化される。このように、単なる納税を超えて未来を見据えた「企業価値向上戦略」として活用することができます。
なぜ企業価値向上につながるのか?
理由1:地域貢献で事業基盤を強化できる
地方創生プロジェクトに寄附をすることで、地方公共団体等との新たな繋がりを築くことができます。
特に今後の事業展開を考える地域や、取引先エリアへの貢献は、長期的な事業基盤の強化にもつながります。
なお、本社所在地への寄附は制度の対象外である点に注意が必要です。
理由2:社会的信用・ブランドイメージの向上
「社会に貢献している企業」としての認知は、取引先、投資家、求職者、金融機関などからの評価を高めます。
つまり企業版ふるさと納税を通じた取り組みは、CSRやSDGsへの貢献としても高く評価されるため、ブランドイメージの向上にも直結します。
理由3:社員の誇りと採用力の向上
自分の勤める企業が社会貢献活動に関わっていることは、社員にとって大きなモチベーションとなります。
また、企業の社会貢献度を重視する若い世代の人材獲得にもプラスに働き企業文化の活性化や組織力向上にもつながります。
さらに、企業版ふるさと納税「人材派遣型」を活用すれば自社のノウハウを活かした地域貢献や、新たな人材育成の機会を得ることも可能です。
実際の法人活用事例
事例1:製造業A社 — 地域との連携を強化し、採用活動にも好影響
地方に工場を持つ製造業A社は、地元自治体の人材育成プロジェクトに寄附。
その結果、地域からの信頼を獲得し、高校・大学との連携も強まり、採用活動が円滑に進みました。
事例2:IT企業B社 — 社会貢献活動がメディアに取り上げられ、認知度向上
全国展開を目指すIT企業B社は、災害復興支援に寄附。
プレスリリースを通じた発信がメディアに取り上げられ、社会貢献型企業としての認知度が飛躍的に向上しました。
まとめ
このように、企業版ふるさと納税は、寄附額の実質的な負担を抑えつつ、社会貢献や企業価値向上にもつながる制度です。
企業としてCSRやSDGsに取り組みたいという想いはあるけれど、具体的に何をすれば良いかお悩みの経営者の方。
そんな方にとっても、有力な選択肢として注目されています。
ぜひ一度、自社の成長戦略の一環として活用を検討してみられてはいかがでしょうか。
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