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2025.9.4
退職金にかかる税金、自分に合った受け取り方は?
シリーズ退職金を考える(2)

はじめに
長年の勤務を終えて迎える退職。そこでの退職金の受け取り方は、これからの生活を支える大切なお金です。でも、忘れてはいけないのが「税金」のこと。
この記事では、退職金にかかる税金の仕組みや、退職金の受け取り方によって異なる課税方法、そして役員退職金や小規模企業共済金についても、わかりやすくお伝えしていきます。
退職金の受け取り方は3つのパターン
主な退職金の受け取り方には、次の3つがあります。
- 一時金として一括で受け取る
- 年金のように分割して受け取る
- 一時金と年金を組み合わせて受け取る
確定確定拠出年金の場合も、一時金、年金、あるいは一時金と年金の併用が選択可能です。
それぞれ税金のかかり方が異なるので、自分のライフプランに合わせた選択が大切です。
一時金で受け取るとどうなる?(退職所得)
退職金を一括で受け取る場合は「退職所得」として課税されます。これは給与などと合算しない「分離課税」となっていて、税負担が軽くなるような仕組みになっています。
計算式は以下のとおりです
(退職金の金額 − 退職所得控除額) × 1/2
「退職所得控除額」は勤続年数によって決まります。
・20年以下:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
・20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)たとえば勤続38年なら控除額は2,060万円。退職金がこの金額以下であれば、税金はかかりません。
退職金の受け取り方で気をつけたいこと
・「退職所得の受給に関する申告書」を退職金受け取り前に会社へ提出しないと、20.42%で税金が引かれてしまい、確定申告が必要になることがあります。
・勤続5年以下の役員などは「特定役員退職手当等」に該当し、「1/2」の計算が使えないケースがあります。
メリット
・比較的税金が少なくて済む
・大きな資金をまとめて受け取れるので、住宅ローン返済やリフォームなどにも使いやすい
デメリット
・大金を一度に手にすることで、投資などで失敗をするリスクあり
年金として受け取るとどうなる?(雑所得)
次に退職金の受け取り方において年金のように分けて受け取る場合は、「雑所得」として課税されます。公的年金などと同様に「公的年金等控除」が適用されます。
メリット
・一時金より受取総額が多くなる
・使いすぎを防ぎやすい
・毎年の生活資金として計画的に使える
・公的年金をまだ受け取っていない時期に役立つ
デメリット
・毎年課税されるので、他の収入と合わせると税負担が増える可能性あり
・所得が増えることで健康保険料や医療費の自己負担割合に影響が出るケースあり
退職金の受け取り方:ハイブリッド型→一時金+年金
会社によっては退職金の一部を一時金として、残りを年金として受け取ることもできます。それぞれ別の課税ルールが適用されるので、ライフプランに応じて調整が可能です。
役員退職金のポイント
役員としての退職金は、「最終報酬月額 × 勤続年数 × 功績倍率」で計算されることが多いです。適正な金額であれば法人の経費(損金)として認められます。
ただし、金額が高すぎると税務署に否認される可能性も。事前に退職金規程を整えておくと安心です。
詳しくはコチラ⇒退職金シリーズ(1)役員退職金を支払うに時に知っておきたい税務と実務のポイント
また、現役のまま亡くなった場合の退職金は、相続税の対象になります。
小規模企業共済金を受け取るときの注意点
次に、小規模企業共済の共済金も受け取り方によって税金の扱いが変わります。
・一括受け取り:退職所得
・分割受け取り:雑所得(年金と同じ扱い)
この制度は、掛金が全額所得控除の対象になるなど、現役時代からの節税メリットが大きいのも魅力です。
退職金の受け取り方を決めるときに考えたいこと
税金だけでなく次のようなことも合わせて考えてみましょう。
・退職後の生活費や大きな支出の予定
・公的年金や再就職による収入の有無
・健康状態や医療費への備え
・一時金での運用を自分で行う予定があるかどうか
令和8年以降に予定されている税制改正とは?
令和8年(2026年)からは次のような変更が予定されています。
① 確定拠出年金との重複期間の調整
確定拠出年金(企業型DC・iDeCoなど)の老齢一時金と会社からの退職金は、どちらを先に受け取るかによって退職所得控除の計算が異なります。法人の勤続年数と確定拠出年金の加入期間が重複している期間については、退職所得控除額の調整計算が必要となります。
・退職金の受け取りが先の場合 → 退職金と老齢一時金の受け取り期間を20年より長く空けると、退職金、老齢一時金の両方から満額の退職所得控除額をマイナスすることができます。
・老齢一時金の受け取りが先の場合 → 老齢一時金と退職金の受け取り期間を5年より長く空けると、老齢一時金、退職金の両方から満額の退職所得控除額をマイナスすることができます。
ただし、令和8年1月1日以後に老齢一時金を受け取ると、改正により空白期間が10年必要となります。
例えば、令和7年中に老齢一時金を受け取り、5年後に退職金を受け取ると退職所得控除が有効に使え税のメリットがあります。
② 特別徴収票の提出対象が広がります
これまで一部の役員などに限られていた「退職所得の特別徴収票」の提出義務が、すべての退職者へ拡大されます。企業側の手間は増えますが、税務の透明性が高まります。
詳しくはコチラ⇒国税庁「令和7年4月源泉所得税の改正のあらまし(令和7年4月25日)」
よくあるQ&A
Q. 退職金を一時金で受け取ったほうが得ですか?
A. 一時金の方が退職所得控除や1/2課税が使えるため税負担は軽くなる傾向がありますが、使い過ぎのリスクや将来の資金計画次第では年金受け取りの方が合っている場合もあります。
Q. 「退職所得の受給に関する申告書」は必ず提出しないといけませんか?
A. 提出しない場合、税率20.42%で源泉徴収されるため、損になるケースが多くあります。
提出することで控除適用後の税額で源泉徴収され、確定申告が不要になる可能性が高いです。
Q. 確定拠出年金を受け取っていても、退職金の控除は使えますか?
A. 基本的には使えます。
しかし、令和8年からは9年以内に受け取ったDCの一時金と退職金の勤続期間が重なると、その部分について控除額が調整される予定です。
Q. 年金で受け取った場合の注意点は?
A. 毎年雑所得として課税されるため、所得が増えて保険料負担が上がるケースがあります。
また、公的年金等控除の範囲内であっても、他の収入と合算される点に注意が必要です。
Q. 退職金が相続税の対象になることはありますか?
A. 被相続人(退職者)が現職中に亡くなった場合、その退職金を遺族が受け取ると原則として相続税の対象になります。
迷ったときは専門家に相談を
退職金の受け取り方、税金に関しての方法は、人それぞれの状況によって異なります。迷ったときは、税理士など専門家のアドバイスを受けてみましょう。大切な老後資金のことだからこそ、納得のいく選択をしていただきたいです。
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